ドル/円相場は、99円台中盤まで値位置を切り上げる展開に。中国短期金融市場に混乱も見受けられるが、リスクマーケット全体が落ち着きを取り戻していることで、改めてドル買い・円売り優勢の展開になっている。米金融緩和政策の早期縮小・停止観測も根強く、6月6日以来のドル高・円安水準を更新している。
緩やかなドル高・円安傾向が続いている。中国短期金融市場で流動性逼迫が確認されるも、足元では短期金利の上昇が抑制されていることで、リスクマーケット全体が落ち着きを取り戻し始めている。米国債市場への資金シフトも一服しており、金利環境からも特にドル/円相場を下押しする理由が見当たらない状況になっている。このため、改めて米金融緩和の縮小・停止観測がクローズアップされ、ドル買い圧力が強まり易い地合になっている。リッチモンド連銀のラッカー総裁が、9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で資産購入の縮小が決定される可能性に言及するなど、緩和策縮小に向けて動きは着実に進展している。7月5日の米雇用統計で失業率低下、雇用増加傾向が確認されると、米金利上昇・ドル高が加速する可能性もあるだけに、注意が必要。
日本銀行が発表した6月の大企業・製造業業況判断DIは、3月の-8から+4まで改善した。9月見通しは+10となっており、景気回復傾向が再確認された形になっている。再び日経平均株価買い・円売りのトレードが活発化し易い環境になっている。「アベノミクス」失敗との見方も勢いを増しているが、少なくとも実体経済は昨年第4四半期をボトムに回復傾向にあることが示されており、改めてドル買い・円売りが促され易い地合になっている。
今後1週間の予想レンジは、98.00~101.50円。